わかりませんが…
私には、娘が二人いるのですが
長女は、今年二十歳になります。
長女は、約20年前 口唇口蓋裂という
病気で産まれました。
恥かしながら、自分が長女を出産するまで
そういう病気があることも知りませんでした。
口唇裂は、口唇の一部に裂け目があり
口蓋裂は、口蓋が裂けて口腔と鼻腔が
つながっている状態。
長女は、右完全口唇口蓋裂
それも結構重いほうだと思います。
産まれてから小学校高学年まで
月1回水曜日の検診。
3ヶ月の時に口唇裂の手術。口蓋裂は、
ひどかったので
2回に分け8ヶ月と1歳半の時に。
口蓋裂の手術後は、
術後の経過と発達の検診に加え、
言葉の発声と発音を、指導してもらう
教室も通うことに。
産まれてから月1回の検診に幾度に、
私は、泣いていました。
水曜日の検診に来る患者さんは
ほぼ同じ病気の人で
出産間もない赤ちゃんから大人まで。
同じ境遇の赤ちゃんを抱いた、
お母さん同士が楽しそうに
話している姿もあるのですが、
私の眼は失礼ながら自然と
自分の子供より上の年齢の患者さんの
口と鼻に目が行き
『自分の子が、どんなふうに、
大きくなるのか?』と考えただけで
涙が出てくる感じでした。
出産から数年過ぎると、
多くの患者さんがいるのに
先生達の決して流れ作業には、
ならない診察と心のケアのおかげで、
その不安もだんだん小さくなりました。
手術とは、別に5歳時から歯の矯正を。
上顎が狭くならないよう広げるために。
もちろん大人になってからの歯並びのため。
矯正は、手術した病院から別の
矯正歯科を紹介して頂き
高槻からは、遠かったのですが、
そちらに通うことに。
乳歯から大人の歯が生え始めると…
前歯が縦に生えてきて、
それをキレイに横にして頂き
上顎のすごいところから歯が生えてきた時も
『歯茎の移植手術が終わったら、
これも使おうね⁉』と
最終的には、その歯もキレイに
並べて頂きました。
もともと病気の特徴で上顎の発達が悪く
下顎が出てきてしまう傾向に、
これをなるべく避けるためにも
しっかり矯正を。
1歳半の手術の後は、
小学校入学前に赤ちゃんの時から
顔が大きく成長した分
唇の傷が目立つのでその修正と
その時には鼻の位置が中心から
少しずれているのでその修正手術。
4年生の時に歯茎の移植の手術。
歯茎の移植手術の結果が良くなかったので、
再度5年生の時にもう一度。
ここまでの手術が終わると後は、
成長が止まる、もうこれ以上
身長が伸びないだろうと思われる
高校2年生くらいの時に
最終の唇の傷の修正と成長共に
バランスを崩した鼻の手術を。
矯正では、歯並びだけではなく上顎の
調整チェックをして頂きながら
次の手術までにカウンセリングを。
中学生の歯科矯正でのカウンセリングの時
『もし下顎が気になったら高校卒業してから
顎の手術を。』
『これは、絶対しないといけない手術では、
ないので…と』と言われながら、
産まれてから最終手術までが20年。
でも 『二十歳以降の人生の方が長いので、
あとあとのために顎の手術もしていた方が
良いのでは?』と私。
痛がりで怖がりの長女は、帰りの車の中で
『産まれてから何にも悪いことを
したことないのに、トワだけ
何でこんな思いしなアカンの?』と。
保育所の時から始めた矯正。保育園では、
何もなかったのですが
小学校に入ると直ぐからかわれるように…
低学年で歯列矯正をしているのが珍しかったのか
『爆弾!』 『爆弾つけてる!』!と
からかわれるように。
小学校上がってから朝の通学は、
当分一緒に行く事に。
好奇な目で見られたり、からかわれたら
私が説明を。
歯列矯正を知らないだけだったりするので
説明すると
わかってもらえるので。小学校の間は、
それくらいで
そんなに酷い事は、なかったみたいなのですが、
中学3年の時のある日『話がある』と長女。
『お友達が お母さんに言った方がいいって』と。
学校で顔の事を、からかわれ
『中1、中2の時は、無視してたら
そのうち何も言われなくなったけれど』
『中3は、だんだんエスカレートしてくる』と。『歩いてると足でひっかけられて コケそうに
なったり…』と。
当たり前ですが、好きでそう生まれたわけでは、なく
私が産んだわけで…
それを聞いて 中1、中2の時に、そんな経験していたことに
気付かなかった事もかなりショックで、
『言うんやったら私に、言え!』と『その子らの名前教えなさい』
『直接私が言う!』と かなりキレたのですが その時は
担任の先生が間に入って下さり…
その後『少しまだからかわれているけど
大丈夫』 と言うので
『やっぱり直接話しさせてほしい』
と言ったけれど
『トワが、大丈夫!て言ってるのに
ノリコさんが出てくるのは、おかしい。』
と言われ
私は、その時も何の役にも立たない感じでした。
高校に入学後 中学校引きずり少し暗い感じ
残っていたのですが、高校2年生の時にした
口と鼻の最終修正手術から
時が経つにつれてよい感じに
明るくなってきて、人目も
そんなに気にしないように。
高校卒業後の進路が決まり、合格発表の日
お店に来て 片付け手伝ってくれながら
合格できたことが
かなり嬉しかったようで、『メッチャ嬉しい』と言いながら
『この病気で生まれてきて良かったと思う。』
『そうじゃなかったら この病気の事知らんかったし。』と長女
2月7日の臨時定休日は、長女の顎の手術のため
お休みさせて頂きます。
赤ちゃんの時から見て頂いた歯科大学の先生達と
矯正歯科の先生の おかげで とてもよい感じで
顎の手術は、しなくても大丈夫では?と
今まで何回も経験した術後の苦しさ、辛さを
見てきたので 悩むところですが
本人自ら自分の
二十歳移行の人生の事を、考えする事に。
昨年ホームページの依頼から知り合った
担当者の方の娘さんも口唇口蓋裂。
知り合った ちょうどその日が
その方の娘さんが
口唇裂の手術を終え退院日。
その方のFacebookには、手術前の娘さんの顔が。
唇の手術をする前が載っていて そのことを
長女に話すと『とても良い事やと思う。』
『だって この病気の事知ってほしいもん』と。
今回2月7日の お休みに関して、
『お休みの 理由を書こうと思ってる。』と私
『とても 良いことやと思う。』
『だって この病気の事知ってほしいもん』
と昨年と同じ返答を。
でも 『若い人には、届かへんやろうけれど』
と長女
40代からの女性をコンセプトにしている私に、失礼な感じな娘ですが、
やっぱり彼女の中には、生まれてから
自分では、どうしようもない事で
からかわれた思いから
学生さんに そんな病気もある。
それを、からかわないで欲しいという
思いがあるのだと思います。
2月7日は、お休みさせて頂きます
よろしく お願い致します。
ノリコ
もう これから この病気については、
書かないと、思います。
この20年どう考えても私は、産んだだけで
いろいろ乗り越えてきたのは長女で。
トワネさん
いろいろ経験させてくれてありがとう。
そして、優しく育ってくれてありがとう。